夏は、こうして過ぎていくのだろうか。
昨日、
午後、一陣の風が吹き抜けると、空気に残っていた暑さが、すっと消えていった。
夜、犬の散歩に出ると、半袖に短パンでは少し肌寒く感じた。
昼間はずっと床の上で寝そべっていた犬も、嬉しそうに走り回り、しっぽを振り続けていた。
今日、
休暇に入る同僚が少しずつ増えてきた。
終業前になっても、受信箱には一斉送信のメールが数通あるだけで、オフィスはいつにも増して静かだった。
住宅街も、ときおり人が通り過ぎる以外は、ひっそりとしている。
遠くの木々は青々と茂り、道ばたの草花も思いのままに伸びている。
陽の光は明るく、白い雲はゆったりと流れ、景色はまだ長い夏のままに見える。
ただ、草原の奥では、いつの間にか、かすかな黄色がそっと広がりはじめていた。