旅路

旅路

We are all visitors to this time, this place. We are just passing through. Our purpose here is to observe, to learn, to grow, to love... and then we return home.

歳を重ねるにつれて、

人生とは、
一方通行の旅なのだと、
少しずつ思うようになった。

私たちが経験するすべて――

幼い頃の無邪気さ。

青春の日々の、
みずみずしさと美しさ。

中年になって知る、
戸惑いや苦しさ。

そして、
歳を重ねた先に訪れる穏やかさ。

人の時間の中では、
それは長い人生に思える。

けれど、

自然の時間から見れば、

ほんのひととき、
立ち寄っただけなのかもしれない。

やがて、

誰もが土へと還っていく。

旅に出ると、

にぎやかな都会や、
人であふれる場所から、
自然と足が遠のく。

心が惹かれるのは、

山や水辺に寄り添う小さな町。

そして、

暮らしの気配に包まれた、
朝日や夕暮れ。

丁寧に手入れされた花壇は、
足早に通り過ぎるだけなのに、

道ばたに咲く名もない花には、
つい足を止めてしまう。

自分の人生も、

きっと同じなのだと思う。

ここまで歩いてきた道を振り返ると、

努力があったことはもちろんだけれど、

何より幸運だったのは、

時代の流れに、
ちょうど巡り合えたことだった。

まだ学歴が
今ほど一般的ではなかった頃、

勉強を通して、
農村から都市へ出ることができた。

そして、

ソフトウェアとインターネットが
急速に発展した時代に巡り合い、

好きな仕事に就き、

比較的安定した収入を得て、

自分の夢を
支えることができた。

顔を上げると、

AI の波が、
もう目の前まで来ている。

この先、
世界がどこへ向かうのか。

自分が、
あとどれほど歩いていけるのか。

それは、
まだわからない。

けれど、

私たちは、

この時代、この世界を、

ほんのひととき旅する者なのだから。