ここ数日、暑さが続いている。
暑いなあと口ではぼやきながらも、心のどこかでは夏が過ぎていくのを惜しんでいる。
スウェーデンには、森が多く、湖が多く、そして岩も多い。
午後、家からほど近い湖へ出かけ、一艘のカヌーを借りて、水面をゆっくり漂った。
両岸では葦が風に揺れ、陽射しは相変わらず強い。それでも、ひんやりとした湖水と心地よい風が、夏の暑さを少し和らげてくれる。
やがて、湖の真ん中まで流れ着いた。
青空と白い雲が水面に映り、湖は穏やかな波をたたえ、四方は深い森に包まれている。
何艘かのカヌーが、風に揺られながら静かに浮かんでいた。
岸辺には小さなボートが泊まり、家族連れが語り合ったり、釣りを楽しんだりしている。
大きな岩の上では、静かに日向ぼっこをする人の姿もあった。
時折、モーターボートが湖面を駆け抜け、静けさをひととき破っていく。
けれど、その余韻もすぐに消え、湖はまた静けさを取り戻した。
まだ産毛の残る子ガンたちは、お母さんのあとをぴったりとついて、水面をゆっくりと進んでいく。
そんなふうに、風に身を任せながら、湖の真ん中を静かに漂っていた。