長い夏の日

カレンダーの予定が、一マスずつ埋まっていた日々。
気づけば、長い夏へと滑り込んでいた。

自然に目が覚める。
窓の外をぼんやり眺める。
白い雲がゆっくりと森の梢を流れていく。
近くの葉が、風に揺れて静かにきらめく。

朝ごはんと昼ごはんは、一緒に済ませる。
犬を連れて散歩へ出る。
道ですれ違う人は、ほんのわずか。

森はしんとしている。
木々のすき間から、やわらかな陽射しが差し込む。
風が吹くたび、葉がさらさらと鳴る。

長い夏の日

道ばたの草は自由に伸び、少しずつ小道へと広がっていく。
道には松葉がふんわり積もり、踏むたびに、やわらかく沈む。

ブルーベリーは枝いっぱいに実っている。
何粒か摘んで口に運ぶ。
甘酸っぱさが広がり、指先がほんのり紫色に染まる。
犬も寄ってきて、気づけば口元まで紫色。

午後になると、木々の影はゆっくりと長く伸び、まだら模様の壁に映る。
葉は光を受けて、きらきらと輝いている。

デッキチェアに身を預け、スマートフォンを眺めている。
眠気がゆっくりとやってきて、スマートフォンが手から滑り落ちる。
夏は、そのまま静かにそこにあった。

夜十時を過ぎるころ、あたりは少しずつ静かになっていく。
最後の夕陽がゆっくりと空の向こうへ沈んでいく。
それでも空は、まだ明るい。

犬の散歩を終え、家族が眠ったあと、一人で書斎に入る。
一杯のお茶。一冊の本。
耳には、聴き慣れた音楽が静かに流れている。

窓の外は少しずつ暗くなり、灯りの残る家も、もう数えるほど。

いつの間にか、もう一度顔を上げると、空はまた青みを帯び始めていた。
景色は少しずつ輪郭を取り戻していく。

二時を過ぎるころ、空には朝の光が差し始め、住宅街は淡い金色に染まっていく。
街灯のやさしい光も、少しずつ朝の光へと溶け込んでいった。

All summer.
Don't text me.
Don't call me.
My phone is on DND.