来た道

来た道

テネリフェの山の斜面に立ち、
夕日がゆっくりと大西洋へ沈んでいくのを眺めていた。

果てしなく広がる空と大地。
灰黒色の火山岩のあいだで、低くまばらな草木が風に揺れていた。

そのとき、ふいに目頭が熱くなった。

ひとりの少年の姿が、ふと浮かんだ。

田舎で育ったひとりの少年が、まだ世の中のこともよくわからないまま、故郷を離れて街へ出ていった。

いちばん多感で、いちばん心の熱かった頃。
どこか垢抜けない服を着て、
外の世界に憧れながらも、ほんの少し怖さを感じていた。

学校を卒業した頃、
中国は急速な経済成長の中にあり、世界とのつながりを深めていた。

仕事の機会が次々と生まれ、
後ろ盾も人脈もない若者でも、学歴と自分の力を頼りに、見知らぬ街で自分の居場所を見つけることができた。

ソフトウェアとインターネットの広がりは、自分の興味と力を生かせる場所も与えてくれた。

かつて、一本のペンと一枚の紙を前に、プログラムの動きを頭の中で追いかけていた若者は、ようやく、自分が好きで、たまたま得意でもあったことを仕事にすることができた。

この仕事のおかげで、安定した収入を得て、自分の生活を支え、家族を支えることもできるようになった。

その道の途中、何度もつまずき、迷い、心細さを抱えた。
誰にも話せず、ただ耐えて、越えていくしかなかった。

ひとりの人生の軌跡は、
こうして時代と交わっていった。

人生は、山を登ることに似ている。

振り返れば、
来た道は、風雨の中を曲がりくねりながら続いている。